- 掛け軸の形式 -
【真の形式】
最も格式の高い形式。
仏画、仏書、高僧像、曼荼羅などに用いる。
【行の形式】
歌切、懐紙、詠草、色紙、絵巻断簡、書画などに用いる。
行の真は神式表具によく使われ、行の行は書画全般によく使われる。
【草の形式】
(輪補表装(りんぽひょうそう))…「茶掛表装」「茶掛」とも呼ばれる。
禅僧の墨跡・茶人の書画・画賛などに用いる。
草の真
草の行
Q. 掛け軸のことについて何も知りません。何から手を付ければよろしいでしょうか。
A. まずはお電話をいただくか、仕立て直しをしたい掛け軸の写真をお送りください。
お問い合わせページはこちらです。
Q. どのように仕立てますか。
A. 和紙や絹に描かれた書や絵画は、そのままでは観賞し、保存することが困難なため、額や掛け軸といった形に仕立てます。そうすることで見栄え良く、かつ長期の保存に耐えやすくなります。
Q. 掛け軸の修理をするというのはどういうことですか。
A. 基本的に古くなり、汚れや破れのある掛け軸は、中の絵や書の部分(=本紙)を洗い、古い裏打ちの紙を取り、本紙一枚の状態にしてから、仕立て直しをします。
Q. 修理でどのように変わりますか。
A. 書や絵、全体が洗われ綺麗になります。部分的に強い汚れもシミ抜き等を行うことでかなり綺麗になります。(取り切れない汚れもあります)その後、和紙、もしくは和紙に準拠する紙等で裏打ちを重ね、丈夫になり、折れていた箇所は再び折れないようになります。本紙に沿った表装デザインを施し、全体の視覚的調和を得るよう努めます。
Q. 作品だけが傷んでいる場合どうすればよろしいでしょうか
A. 本紙だけが傷んでいる場合も、すべての仕立て直しが基本方針となります。表装に使われている裂(生地)を再度使いたい、という希望も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
Q. 掛け軸の一部だけが痛んでいる場合のアドバイスをください。
A. 一部折れている箇所が強い折れでなければ、裏擦りという作業で治る場合があります。本紙に斑点の薄茶色の汚れが出た場合、その濃さによりますが、仕立て直しせずに汚れを取れる場合があります。
Q. 掛け軸から額装にできますか。
A. できます。額装してあるものを掛け軸にすることはできないことも多いのでご相談ください。
Q. 表装をする適した時期があるのでしょうか。
A. 掛け軸の場合ですと、巻いた時の折れの数が、増えつつある時期は既に仕立て直しが必要な場合が多いです。茶褐色の斑点が出てきて、増えつつある時期も同様です。
Q. 薬品を使いますか。
A. 汚れに応じて薬品を使用します。湯洗いだけでもかなり綺麗になることが多いです。あとは本紙に付いている汚れと、本紙の状態によって薬品の種類や濃度を変更します。長年洗いの仕事をしてきた当店の経験から、最適な洗いを選択します。
Q. 保証はありますか。
A. あってはならないことですが、本紙の大きな破損、元の書や絵が大きく崩れてしまう、といった際の弁償金に関しましては、こちらの見積もりをさせて頂いた表装代を上限とさせて頂きます。
Q. 保管方法を教えてください。
A. 掛け軸は必要以上に強く巻かず、桐箱に入れて保存してください。尚、桐箱の中には専用の防虫香を入れてください。
Q. 納期について。
A. 掛け軸の本表装ですと、通常は40日です。アイロンプリント紙を用いた現代表装ですと1週間です。どちらの場合も、お急ぎの場合はご相談させていただきます。
Q. 価格について。
A. 掛軸の仕立て直し(古い掛け軸を新調したい場合)は、主に本表装をお勧めすることが多いです。本表装では、一番シンプルな仕立ての形式で4万5千円~となり、掛け軸の形式、本紙の状態、特殊洗いをするか、等でお値段の幅があります。まずはお気軽にご相談ください。ご予算に応じた提案をさせて頂くこともできます。